しんと静かな、夢の時間。
子どもに気づかれぬよう、そっと起きる。
まだ、あたりは暗闇だ。
寒くて、太陽も起きるのがいやか。
日に日に、朝日が、遅くなる季節。

まず、薪窯に火をくべて。
熱いお湯で、お茶を淹れて。
小さな火が、大きな炎になっていく。
ごうごうと燃え盛る。

木がはぜる音を聞きながら、
お茶を飲んで、温まる。

さあ、今日の始まりだ。
今日も、いいパンを焼こう。