すっかり、秋の音がする。
パン小屋の中にいる。そこかしこで音がする。
「どん、ころころころ。」
森には、クヌギの木が、いっぱいある。
どんぐりが、屋根に落ちては、転がっていく。
こっちの屋根でも、家の屋根でも。
寝ても覚めても、ころころころ。
栗の旬が終わったら、今度は、どんぐりの季節だ。
秋は、森も実りの季節。
動物たちは、木の実を食べて、冬支度。
風が吹いて、耳をすます。
枯れ始めて色づいた葉が、
木の上で、かさかさと囁き合う。
木々が、季節を知らせてくれる。
木々も、だんだん冬支度。
ひとつまたひとつ、木の葉を落としていって、
森が、休む季節がやってくる。
ゆっくり、けれど確実に、季節は過ぎていく。