新しい相棒

僕には、頼もしい仲間が、いっぱいいる。
トラックに、トラクターに、農機具。
農業には、いろんな機械が必要だ。

初めは、何にも持っていなかった。
なるべく自分の手でできることは、やってきた。
種まきなど、時間をかければ、できることもある。
けれど、畑が増えるにつれ、時間がかかって効率が悪くなりすぎたり、
種をまく量のバランスも難しい。
スピードを求められる収穫作業などは、機械を使わないことは難しい。
頼れる仲間がいることは、本当にありがたい。

僕が持っている機械は、ほとんど中古で、よい出会いがあったもの。
何も知らなかった僕を見かねて、
使わなくなったものを譲ってくれたものばかり。
大切に使われてきたものは、
どんなに古くても、丈夫でしっかり動いてくれる。

最近、「もみすり機」が仲間入りした。
パン屋を始めたときから、小さいものは、持っていた。
だんだんと小麦の収穫量が増えてきて、一日中ものすごい働いてくれて、
いつも、モーターがひーひーの熱々になるようになってしまった。

昔、初めて畑を借してくれた恩人のおじちゃんが、
家族が使っていた、大きなもみすり機を、譲ってくれた。
もみすり機は、小麦を籾から外して、玄麦の状態にしてくれる機械。
籾がらを排出するダクトは、いつも農機具の修理やアドバイスをしてくれる方が、
中古で見つけてきてくれた。
軽トラにのせてみるとちょうどよく、初めて使って、驚いた。
小さい機械で四日くらいかかる量を、
一日であっという間に終えてしまった。

新しい相棒、ものすごい。
これからずっと、大切に使っていこうと思う。
小さい機械は、これからも、小さいからこそ使えるときがある。
もう一つが壊れてしまった時にも、頼もしい。

機械は、ただの人工物かもしれないけれど、
僕にとっては、大切な仲間。
僕のもとに来てくれてから、手をかければかけるほど、
愛着も湧いてくる。
人との出会いやご縁に感謝をしながら、
今回も、新しい仲間との出会いに、感謝!