畑仕事も、パンの製造もない、休みの日。
楽しみは、息子と存分に遊ぶこと。
さて、今日は、何をしようか。ドライブにでも出かけよう。
2トントラックの助手席に、チャイルドシートをのせて、さあ、出発だ。
働く車が好きな息子は、トラックに乗せると、満足気。
「出発しんこーう!」と高い席から、下を見下ろしながら、わくわくしている。
この辺では、どこからでも見える、堂々とした浅間山。
車から山々の尾根を見て、「やま、きれいー!」と叫ぶ。
林の道なら、「トンネルだー!」と、車で木々の間を抜けていくのに、興奮している。
小雨になってきたから、何をしようか。
車から降りて、畑で、小さなアマガエルを捕まえよう。
土の上では茶色だよ。草の中では緑だよ。
さあ、自分で見つけてみよう。
ミミズが大好きな息子、雨の日のミミズは巨大で、嬉しそう。
水たまりがあれば、勢いよく飛び込むしかない!
ぴしゃぴしゃ、音を立てて、歩こうか。
山の中で雷が轟けば、ちょっと怖そうにしているが、
ちょっと気になる存在のよう。
予想外のことが起これば、うまくいかなくて、勝手にすねることもある。
興味津々のことがあれば、山道ですっ転んでも、痛いのも忘れて、へっちゃらだ。
さあ、今度は、おてんとさまのご機嫌が直ったみたい。
ちょっと散歩に出かけようか。
下ばかり見て歩いていたら、息子が上を向いて、木になる赤い実を見つけて、
「食べちゃだめだよー!」と教えてくれた。
花を見つけると、匂いをかいで、
「いいにおいがする!こっちのは、においしない!」と教えてくれる。
まっさらな視点で、好奇心旺盛に自然を見ている息子からは、
僕の方が勉強させられる。
歩くことなく、いつでも走っている息子。
心の赴くままに、走り続けてくれ。
泥だらけの顔は、勲章だ。
さあ、ガタガタとトラックに乗って、帰ろうか。
ほかほかごはんを食べて、あったかいふとんで、今日も一緒に眠ろう。
明日は、君のために、僕は何ができるだろう。