冬の仕事

山の暮らしは、おもしろい。
季節によって、いろいろな作業や仕事がある。


春は、冬に凍っていた土が溶ける季節。
大地が目覚める前に、山野草を植えよう。野鳥の巣箱も置いておこう。
夏は、緑が生い茂り、山が一番生き生きとする季節。
草の勢いと草刈りがどっちが早いか、追いかけっこの競争のようだ。
秋は、色とりどりの葉が舞い落ちる、美しい季節。
何回焼き芋を焼けるのだろうというくらい、落ち葉掃除に追われる。


冬はようやく山が眠り、ゆっくりできるのかというと、そうではない。
寒い冬には、体が火照るくらいの熱い仕事が待っている。
僕の山の暮らしに必要不可欠な、薪作りだ。


春から秋にかけては農作業に忙しいから、薪窯のための薪作りは冬に多くをやる。
薪作りの作業は、とてもシンプル、そしてハードだ。
使っているのは森の間伐材で、切り倒した木をチェーンソーで等分に切っていく。
次に、それを斧でひたすら割っていき、ひたすら棚に積んでいく。


大変だけれど、こんなことができるのはありがたいことだ。
森で育った木々を使わせてもらって、薪窯でパンを焼くことができる。
薪窯から出る灰はほんの少ししか残らないが、それは森に還している。


山の暮らしは、僕にはとても合っている。
自然の中での生活は、美しい四季とともにあり、
自然に生かされているということを、思い出させてくれる。
体にはハードライフでも、心はいつもスローライフ。
心を充電したら、また薪を割ろう!