信州に、とうとう寒い冬が来た。
畑があるのは、標高700mほどの山あいのところ。
12月になれば、ぐっと寒い日が増えて、静かな冬を迎える。
この時期になると、周りの畑にはほとんど作物は植わっていない。
そんな冬に、青々とたくましく育つのが小麦だ。
スペルト小麦の種を播いてから約1ヶ月半が過ぎて、
寒いながらも日差しを浴びて、しっかりと発芽して育っている。
スペルト小麦は、発芽してから少し成長したところで冬を迎える。
小麦は寒さに強い作物で、雪が降ってもまったく負けずに、雪解けすると顔を出す。
雑草のように強く、まっすぐに育つところが、僕は好きだ。
スペルト小麦は、約9000年も前から栽培されている古代種。
ずっと受け継がれてきた強い遺伝子が、今こうして芽吹いている。
僕にできるのは、元気に発芽した麦を、しっかりと育てること。
そして、スペルト小麦の持ち味を生かした、おいしいパンを作ること。
古代ヨーロッパの方に恥じないよう、がんばろう!