ぱっと開いたその手は、いろんな色に変わっていく。

柔らかな、春の若葉色に始まり、
暑い日差しを浴びて、少しずつ深い色へ。
今、楓はまさに、紅葉色。
遠くからでも、その存在を見逃すことはできない。

自分の色に、変えてゆけ。
自分の色を、変えてゆけ。

想いを込めて、娘につけた、一文字。

この森に、昔からあるイロハモミジの木。
僕の畑に、娘が生まれて植えた、サトウカエデの木。

四季とともに、いつもそこに。
少しずつ、でもしっかりと、根を伸ばし、幹を太くし、
枝を伸ばし、さあ、その手を広げてゆけ。

風に乗って、さあ、どこへでも、舞い飛んでゆけ。