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昨日のこと。
収穫を始めてすぐに、機械の調子が悪くなりました。
農機は、米や現代小麦用にできています。
古代小麦は、背がとても高く、機械に詰まりやすい。
微妙な調整をしながら、ひとつひとつ解決をしていく。
息を合わせて、顔を見合わせ、農作業は、連携が大切だなとつくづく思いました。

古代小麦は、背が高いので、倒れてしまった箇所がありました。
一部、機械が入りづらいところを手刈りでやりながら、昔の人の大変さを思いました。

そして、曇りだったけれど、暑かった。
小麦はガラス質なので、肌が出ていると、チクチクと刺さり、切れてしまいます。
肌を出さないように、サウナ状態。
夫は暑過ぎて、半袖短パンでしたが笑

へとへとの後のお昼は、野路さん @noji_______ のパンをいただきました。
群馬県の桐生市で、丁寧にパンと日々の暮らしに向き合いながら、薪窯で焼いていらっしゃいます。
野路さんには、5月に工房に夫がお邪魔させていただきました。
工房や薪窯、パンづくりのこと、たくさんのお話を伺って、本当に感謝をしています。
彩さんも、ご自身で小麦を育てていらっしゃいます。畑では、もう刈り入れが終わったとか。
パンと便りから、あちらの畑の風景を想いました。

午後はじめてすぐに、
「雨が降るからやめよう。焦ってもしょうがないから」と。
収穫した小麦が雨に濡れるとだめだから、急いで片付けたら、本当に10分後にはざあざあと大雨が。

「あっちの山から雨雲がきてもあんまり降らないけど、こっちの山からのは、絶対降るんだ」
いろんな感覚や勘を養っているようです。

雨やどりをしながら、野菜の種をまきました。
命の始まりには、雨の水がなくてはなりません。

火照ったからだには、畑で生っているベリーの甘酸っぱさが、染み渡りました。
ミントを摘んでお茶をいれて、さわやかな香りに癒されて。

しばらくしたら雨は上がりました。
あたりが闇に包まれてから、畑の近くの水辺に、みんなで蛍を見に行きました。
蛙が奏でる歌が鳴り響く、夏の景色。
ゆっくりと映し出される光は、命のあかし。
自然が作り出す光は、とても柔らかく、イタリアの山深くの農家に滞在していたとき、何千何万という蛍があたり一面に飛び交っていたのを思い出しました。

今日はまっ晴れ。
朝から日が出て、小麦も乾いたので、また収穫を続けていきたいと思います。

(動画と写真)
⚫︎雨が降る中の帰り道
⚫︎刈り取りの風景
⚫︎パンに、畑のディルを挟んで。サンドイッチは、小麦畑と野草の香り。ごちそうさまでした。

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「収穫初日」このところ、梅雨なの

「収穫初日」

このところ、梅雨なのに、カラッとした天気が続いています。
夏の雨のおかげで、日本は緑も水も豊かだけれど、
小麦にとっては、この時期の晴れは、とてもありがたい。
小麦の穂も、ぐっと垂れてきました。
日々、小麦の水分量をはかっています。

毎年、完璧な収穫というのはありません。
小麦が乾燥しているのに、雨が続いて足踏みしたり、
晴れたけれど乾燥が進んで、刈り入れの際に穂から粒が落ちて収量に影響したり。
乾燥している分にはよいのですが、もったいない。
毎年、勉強です。

そのような経験もあり、今年はいつもよりは少し早めに、タイミングをしっかり見極め、収穫しようということに。
昨夕、意を決して、今日から収穫することにしました。

週末で子どもたちがいるので、義両親に急遽東京からかけつけてもらいました。
お客さまには、お待ちいただき、温かいお言葉もいただき、本当にありがとうございます。
譲ってもらった収穫の農機も、3年目の出番。
どうかよろしく頼みます。

刈り入れは一年に一度。
もし何かあったら、だめになってしまったら、どうしよう。
不安と期待の中、夫婦で、どきどきしかありません。
いろいろな支えに感謝をして、今から収穫。
しっかり作業をしていきたいと思います。
午後には小雨予報もあるので、空を見ながら頑張ります！
kana

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嬉しいことがあった。
昨日の投稿のあと、北海道の十勝地方のパン屋さん @__toi___ から、僕らの農に対する思いに心を寄せてくれた便りがふと届いた。
toiさんの投稿を、僕らのところに載せさせてください。

toiさんと出会ったのは、もう随分と前。
お互いに、自分のお店を始める前のこと。
北海道での、本当に偶然の出会いだった。
そして、その一回しか、まだお会いしたことがない。
けれど、それから便りを交わし合って、今に至っている。
お互いに想い合えることが、なんと嬉しいことだろう。

宙生さんのやさしさと強さ、パンと仕事に対する情熱を、とても尊敬しています。
同じ時代に生きて、それぞれの想いを通して、パンに向き合って、交わって。
時を経て、またお会いしたいなあと、つくづく思っています。
農を想うもの、同志と、失礼ながら、勝手ながらに思っています。
宙生さんは、この小麦をと惚れ込んで、その農家さんの畑のそばにお店をつくった。
それは、とてもすごいこと。

写真の、その自然栽培の中川農場さんの畑も、なんと美しいのだろう。
いつか、中川さんにもお会いしたいと、勝手ながらずっと思っている。

素敵な人が、たくさんいる。
だから、僕も頑張れる。
いつか、toiさんのお店に伺えるときを、家族でとても楽しみにしています。

以下、toiさんの投稿のリポストです。

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pirkaamam 中川農場の畑

大好きな人たちが投稿した内容にグッと心を掴まれながら、隣の畑の小麦をボーっと眺めていました。

@green_sunlight_bakery
　
https://www.instagram.com/p/C8wrxFQybGI/?hl=ja&img_index=1

私たちが食べているものにはきちんとその背景があるということ。

ただ美味しいものを食べてほしいわけではなく、この場所だからこそ伝えれることを感じて頂けたらという想いで、パンを焼いたり、コンフィチュールを作ったりしながら、お店を営んでいます。

豊かな食卓って、高級な食べ物を揃えることでもないし、決して難しいことではないと思っています。

彼らほどのことは伝えきれないかもしれないけど、食と農のかかわりを大切に想いながら、日々に寄り添えるようなパンを私たちも焼いていきたいと思います。

#green_sunlight_bakery#オーガニック #自家製粉 #薪窯パン #無農薬無化学肥料 #自然栽培 #全粒粉パン #スペルト小麦 #小麦アレルギー #フォルコンブロート #古代小麦 #全粒粉 #自家製粉 #ピリカアマム #オフイビラ源吾農場 #寺田本家 #二番通り酒店

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「想いを、重ねて。」長野にも、梅

「想いを、重ねて。」

長野にも、梅雨の雨がしとしとと。
降ったり止んだり、大降りになったり、小降りになったり。
今の時期、その間に差し込む熱い太陽の光が、小麦をぐっと乾かしてくれる。

僕らの古代小麦たちは、これからまさに収穫期。
日本には梅雨があるから、収穫のタイミングがとても難しい。
農業をしていると、昔よりも、天気予報は当たりやすくなってありがたいけれど、梅雨時期の予報は、難しいのかな。
やっぱり、空を見上げる。
おんなじ地域でも、浅間山のほうと、こっちの山の上では、天気が違う。

現代小麦だと、ここら辺では、もう収穫は終わっている。
僕らの小麦はすうっと長いから成長スピードがゆっくりなのか、7月だ。
梅雨明けの収穫になることもあるけれど、今年はもうすぐな気がする。
梅雨真っ盛りの中、天気をよみながら収穫するのは、とても難しい。
小麦の乾燥具合を見ながら、天気を見ながらの刈り入れだ。

今の僕は、毎日緊張している。
なんだか、胃までやられている。
僕らのパンは、小麦をすべて自分たちの手で育てている。
だから、小麦を収穫できないと、だめなんだ。

毎年思うけれども、昔の人たちが、神さまにすがる思いで、五穀豊穣を祈った気持ちがよくわかる。
色んなところの神さま、太陽にも、風にも雨にも祈りたくなる。
自然は、とてもありがたくて、時にはとても残酷だから。

収穫前から収穫後の天日乾燥の期間は、パンづくりがいつものようにはできない。
お客さまには、よりお待たせをしてしまい、とても申し訳ないと思っています。
そして、僕らのパンを待っていてくださることに、とても感謝をしています。

畑に立っていると、僕はひとりで育てているのではないんだ、と思います。
これは、みんなで作っている小麦なんだと。
たくさんの方の、体と心をつくる麦。
責任を持って育てたい、収穫をしたいと思っています。

この土と微生物と太陽と水、いろんな力を合わせて、山の空気を吸って育った麦。
僕らのパンとともに、自然の暦（こよみ）を感じてもらえたら。

ここで10年繋いできた麦、今年はどんな麦になるのだろうか。
自然の揺らぎに、神経を研ぎ澄ます。
良い麦をこの手にできるよう、頑張りたいと思います。

(動画と写真)
・いよいよ黄金色に色付いてきた、今の小麦畑。
・天日干しのための準備ができました。
　収穫のための農機も、一年に一度の出動を、今待っています。

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農がある暮らしから私たちは、食べ

農がある暮らしから

私たちは、食べることで、日々命をつないでいます。
生きるには、食べるということが欠かせません。

食べるもので、体は作られるから、
その体と心はつながっているから、
何を食べるか、どんな風に食べるかは、大切だなと思っています。

欧州をゆっくり、ぐるぐると周って、
食を生み出す、小さな生産の現場をたくさん見て、
そのいろんな家族のかたちに触れました。

そこで流れる時間は、自然のままの時間でした。
それが、都会に生まれた私にとっては、何より心地よいものでした。
常にゆっくりというわけでも、せわしないというわけでもない。
人間が作り出して決める時間軸は、どこにもありませんでした。
畑の作物や飼う動物を思い、その時何をするかがただ決まる。
収穫や植え付けで、忙しいときはものすごく忙しいし、のんびりなときは、いつもできなかったことをします。
たくさんのものに、思いを巡らせ、その中に生きている。
そのリズムは、人間の根本にあるような気がします。

イタリアのジェノヴァから、少し離れた片田舎の農家にお世話になったとき、ちょうどじゃがいもの植え付けの時期でした。

大きな畑で、高校生の子どもも一緒に、家族みんなでの植えつけ作業。
土はごろごろ扱いにくく、暑い日差しの中、一日ひたすら作業をし続け、色々な農家を経験していた私たちだったけれど、それは大変な日でした。
でも、だからこそ、みんなでご飯を作って囲む、その日の夕食は何よりおいしく、会話が弾むゆっくりとした時間は、愛にあふれたものでした。
みんなで必死になって力を合わせて、「やったね！」と嬉しさを分かち合う喜びがありました。

ラオスの片田舎を旅したときは、ちょうどお米の刈り入れの時期でした。
ラオスは農業国、歩きながら見る景色には、ただひたすら黄金色の田んぼが広がっていました。
お米を自給する家が多く、まだ機械化されていない風景は、昔の日本を思わせるものでした。
小さい子どもも親戚も一緒になって、田んぼでせっせと手を動かして刈り取り、お昼になったら、田んぼの真ん中の屋根だけある小屋でみんなで休憩して。
それは、とても美しく、尊い光景でした。

それらの経験したり見た風景に、自然と今の私たちが重なっているのだと思います。
パンの小麦を育てること、野菜や果樹を育てること。
それらがすくすく育つように、周りのお世話をして、それを一生懸命にやっていると、子どもたちも遊びながら手伝いながら、見て感じているように思います。

たくさんの作業があって、
これをしなくちゃ、あれもしないと！とか、
明日雨だから、草刈りしないと！とか、
雨が降るなら、あの種蒔きたいね、とか、
耕し続けて、ああ、疲れたとか。
そうして実ったものを前に、これを食べたいんだという思いが生まれ、おいしさを感じる心も生まれるのではと思っています。

この時期は、とても忙しいから、子どものお迎えの後に畑に通っています。
日が長いのが、ありがたい。
こういう時期もあるんだよ、と農の軸をみんなで感じています。

今日が雨だから、昨日は、暗くなるぎりぎりまでの作業になってしまいました。
農機をしまう倉庫に明かりをつけて、
「みんなで頑張ったね」「あーお腹すいたね」と念のためにと持ってきていた簡単なものを分け合いました。

農を通して、五感を研ぎ澄ませて、感じるものがたくさんある。
その中でみんなで力を合わせて、生きるために、食べるものをつくる。

嬉しさと悲しさも、疲れと大変さも、失敗と成功も、
自然の美しさとはかなさも、強さとやさしさも、
全部ひっくるめて、そのありがたさとおいしさを、体と心の栄養に。

私たちが育てる小麦も、同じ気持ちで育てています。
たくさんの方に、私たちのパンを食べながら、そんな農のある風景を感じてもらえたら。
それは、繋がれてきた命の中で、私たちの心に刻まれた風景だと思うのです。
おいしい、と体と心が感じるように、
みなさまの暮らしに、寄り添えるものでありたいと思います。

(写真)
・一本の木に、ブルーベリーがたくさんなっているのを、見つけた！
・雨の前に、花豆をまいた。古代小麦のお菓子にできたらという思いとともに。

雨の日の、長い文章になってしまいました。
いつも、ありがとうございます✴︎
kana

#農のある暮らし #有機栽培 #地球環境 #持続可能 #農家パン #オーガニック #スペルト小麦 #古代小麦 #全粒粉 #無農薬 #薪窯 #手ごね #石臼 #自家栽培 #グルテンレス #小麦アレルギー #サステナブル #エコロジカル

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「パンとワイン」

6/18に発売されました、Hanakoの特別編集Mookに
僕らのパンを、再掲載していただいています。
この度も、ありがとうございます！

パンとワイン。
それこそ、ふたつとも古代から続く、切っては切れないもの。
発酵したものを食べて、発酵したものを飲む。
かけ算すれば、おいしいに決まっています！

古代小麦を畑から育てて、石臼で挽いてパンを発酵させ、薪窯で焼く。
昔の人が、そうしていたように、
現代に、そう繋がれてきたように、
シンプルに、ただおいしい。
そんなパンでありたい、と思います。

奥深い世界で、本気で取り組む方たちが、たくさん紹介されています。
ぜひ、ご覧ください。

@hanako_magazine

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#organic #spelt #ancientwheat #sustainable

昨日のこと雨の日の家は、忙しい。

昨日のこと

雨の日の家は、忙しい。

まずは、息子が間引きした二十日大根で、ピクルス作り。
「葉っぱちぎるから、ママが根っこを切ってね」
二人で、ああだこうだ言いながらの、一緒の時間。
去年採れた、にんにくと唐辛子も入れて。
ちいさな粒が、ピクルスにとてもいいね。

次は、収穫したすぐりやラズベリーを混ぜて、ジャム作り。
一緒になると、甘酸っぱさが重なり合って、味わいは、より深くなる。
彼は、混ぜて、待って。混ぜて、待って。
「どれもこれも、やってみたいんだ」の気持ちが伝わってくる。

息子は、収穫したときから、ジャムづくりを楽しみにしていました。
畑でずっと、その木の成長を見つめているから。
春になって、私より先に、花を見つけ、
初夏になって、誰よりも早く、一粒の熟した実を見つけていました。
今、たくさんの実を前に、自分で作りたいんだという気持ちがある。
ジャムづくりをしながら、「まえに食べた味を思い出したよ」と言いました。
それは、昨年私が作ったベリーのジャムのこと。

いま、こうして一緒にいろいろなものを作れることが、とても嬉しい。
息子は毎日、幼稚園の森の中のレストランで、ごはんやケーキを作っていると聞いています。
最近は、帰ってきたらすぐに台所にやってくる。
夕ごはんを一緒につくるとき、鍋の振り方がうまいのは、日々の練習の成果かな。
自分で作ったごはんを家族に振る舞い、自分ももりもり食べています。

自分で育てると、愛情が湧いてくる。
自分で作ると、何よりおいしい。

やりたいが、溢れている。
美しいその思いを、支えていけたら、共に分かち合っていけたら、何よりも嬉しいな。

今日のみんなの朝ごはん。
パパのパンにジャムをのせて、大きいから、はんぶんこにして。
みんなで作って、みんなで分けた、朝ごはん。
体も心も、大満足◎
kana

#ジャム #ピクルス #保存食 #有機栽培 #地球環境 #持続可能 #農家パン #オーガニック #スペルト小麦 #古代小麦 #全粒粉 #無農薬 #薪窯 #手ごね #石臼 #自家栽培 #グルテンレス #小麦アレルギー #サステナブル #エコロジカル

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– 世界のオーガニックの畑とつながる –

古代スペルト小麦。
紀元前3000年前、青銅器時代の欧州で、人々が生きるために育て、食べていました。
時を経て、ずっと種から種へつながれ、今につながっています。

僕らがパン屋をつくるとき、欧州を旅し、この小麦に出会い、自分たちでこの小麦を育てよう、と決めました。
いま、たくさんの想いを込めて、スペルト小麦を育てています。
もっと身近に、おいしく食べてもらえたら。
よりたくさんの人に、知ってもらえたら。

味わい深い小麦だから、おいしいものをかけ合わせれば、またまた、おいしさが増していく。
色々なおいしさを楽しんでほしい。
また、生産者として地球のために同じ思いを共にする方たちを応援したい。
共に歩んでいきたいという思いで、世界の、日本のオーガニックのものなどを使い、パンを作っていきたいと思います。
本日より、「CURRANT（カランツ）」のパンを販売いたします。
_________________________

CURRANT

カランツは、世界にたくさんある中の、ぶどうの一種。
最も古い記録は、約2000年前に遡ります。
そして中世には、地中海でその栽培と取引の歴史が残る、とても古くからある、小粒のぶどうです。
当時ギリシャで多く栽培され、19世紀にはアメリカでの栽培が始まり、現在に至っています。
僕らは、アメリカでオーガニック栽培されたカランツを使っています。

その小さな粒の中に、しっかりとしたぶどうのコクと味わい、爽やかな酸味、干しぶどうの自然の甘さがあります。

カランツと僕らの出会いは、昔とてもお世話になった、天然酵母パンの草分け的存在のパン屋「ルヴァン」でした。
東京の富ヶ谷店と長野の上田店でパンの勉強をさせていただいたとき、両店で一番人気のパンは、カランツとくるみの入った「メランジェ」というパンでした。
ぎっしりと入って、パンの酸味とともに味わい深く、食感も楽しい大好きなパンです。
ぶどうといえばレーズンと思っていましたが、その小さな粒にとても魅了されました。

そして、ルヴァンにお世話になったのちに、欧州を旅した僕らが、まず初めに行ったお店は、パリの「ポワラーヌ」でした。
創業90年以上、まさにフランスの伝統製法を守り続けているパン屋。
天然酵母でパンを作り、薪窯で焼く。
その製法を用い、芯のある理念を変えずに、現代において、革新的に進み続けるパン屋でもあります。
そこでまたカランツと出会ったのが、「Pavé de seigle aux raisins」というパン。
ほんのりと黒い、目の詰まったライ麦のパンに、ぎっしりとカランツが入っていました。
パンの酸味と、カランツの甘酸っぱさが、どっしりとした生地に、とても心地がよかった。

そして、自分たちでスペルト小麦を育てている今、それらの思い出と僕らの小麦をかけ合わせて、「CURRANT」のパンを作りました。
スペルト小麦特有の、味わい深さ。
全粒粉が香る、落ち着いた生地。
少し酸味のある僕らのパンに、しっかりと濃い味わいのカランツが、とてもよく合っています。
ルヴァンのように、ポワラーヌのように、ぎっしりと混ぜ込んでいます。
朝からおいしく栄養をとれ、または小腹がすいた時やおやつにも、そのままでおいしいパンです。

美味しく食べながら、しっかりと栄養を取れる。
それは、僕らが大切にしたいことです。
干しぶどうのカランツには、次のものが多く含まれています。
血液と筋肉をつくる大切な鉄分は、生きものに必要とされているミネラルです。
カリウムは、細胞、筋肉、神経などを正常に機能させるのに、なくてはなりません。
暑い季節には、汗とともにカリウムが出てしまうので、摂取することで夏バテの予防にもなります。
全粒粉に多く含まれる食物繊維も豊富で、一緒に腸内環境を整えます。
カランツの甘さのもと、ブドウ糖はすばやくエネルギーとなりますが、食物繊維のおかげで、ゆっくりと長く吸収されながら、エネルギーを持続してくれます。
強い抗酸化作用のあるポリフェノールは、様々な病気の要因となる活性酸素を抑えてくれます。
たくさんの栄養素が凝縮しているカランツ。
スペルト小麦の栄養とともに、皆さまの一日の活力となるパンになりますように！

原材料：スペルト小麦全粒粉（自家栽培、農薬・化学肥料不使用）、自家製天然酵母（スペルト小麦）、オーガニックカランツ（アメリカ）、越後村上の天然塩

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